雑記|雪、ヘッドライト

 23時。日は既に沈み切っていて当たり前に残光は無く、天気は大雪だった。

 雪が降っていることを知るとき、雪が降っていることそれ自体が僕にそのことを教えるわけではない。太陽光や街灯を反射した光が目に映ってくるか、皮膚に冷たい感触があって初めてそれと分かる。降る時に音を立てないから、部屋に閉じこもってカーテンを閉め切っていたり、酷い路面に転ばないように俯いて歩いていたりすると突然雪景色が出現して驚く。雨や晴れと違って徐々に変わっていくわけではない感じというか、持続性が弱い感じ。あと、これは雨にも共通するけど、街灯が強すぎる夜なんかはたまに雪が見えなくなる。もちろん、自分へそれなりにかかってくるから奥とか上の方でも同じなんだろうけど、実体としてその姿が見えないので変な気分だ。そういう時は、交差点を渡る間に足元を照らしてくるヘッドライトを見て、そこに示される雪の具合にああ割と激しいんだな、なんて思ったりする。

 というか、これは全部今日の話なんだけれど。コンビニへコーラを買いに外出して初めて雪が降っているらしいことに気付いて、止まっている車のヘッドライトでそれがそれなりに激しく降っていることを知り、運が悪いなと思った。

 コンビニに入ると、バンドマンみたいな見た目の集団がいて少し警戒してしまったけど、パブリックイメージなんて誰かが恣意的に抽出した一部の印象でしかないんだよなって反省する。強気な見た目の人間だって知らない人間にいきなり変な目線を投げられたら面倒くさいと思うかもしれない。

 コーラは172円した。昨日スーパーでサイダーを買ったら100円程度だったのでもっと安いと思っていたし、帰路、自販機のコーラを見たら160円で売っていて死にたかった。 

    家に着くころには雪は止んでいたけど、アウターにはぐっしょりとした水シミがあった。